株主の皆様へ

IR INFO

わが国の経済動向

当連結会計年度におけるわが国経済は、堅調な企業収益を背景に、IT投資や省力化投資を中心とした活発な設備投資と旺盛なインバウンド消費などに牽引され、緩やかな景気拡大基調で当初は推移しておりました。しかしながら夏場以降は、相次ぐ自然災害や米国と中国との貿易戦争の影響拡大などによって生産や輸出が減速したため、景気の腰折れ懸念が出てまいりました。個人消費につきましては、雇用・所得環境の好転が続いたとはいえ、実質可処分所得の増加に結び付かず、力強さを欠いた状態に置かれております。

代表取締役社長 野尻 公平
代表取締役社長 野尻 公平

外食産業界の動向

外食産業におきましては、人手不足を背景にした人件費や物流費の増加、食材価格の高騰の影響を相変わらず受けております。また消費者のニーズの多様化、根強い節約志向、その一方での価値あるものには支出を惜しまない選別志向、コンビニや食品宅配サービスをはじめとする異業種との競合激化などもあり、予断を許さない状況が続いております。

業態力向上の取り組みと従業員スキルの体系的向上

このような状況の中、当社グループでは「すべてはお客様のために」をモットーにQSCA(Q:品質、S:サービス、C:清潔、A:雰囲気)を高め、家庭ではなかなか体験できない様々な料理や高レベルのサービスをお客様に提供することで、「楽しかった、美味しかった」とお客様に喜んで頂けるよう引き続き心掛けております。そのため過去の成功体験にとらわれず、お客様のニーズと主要業態のポジショニングとのマッチングの再検討や、業態コンセプトの更なるブラッシュアップ、新たな発想に基づいた新業態の開発などに取り組みました。また店舗でのOJTだけでなく、研修センターを通じて従業員の調理や接客サービスに関するスキルの一層の向上を体系的に図っております。

店舗運営の改善

店舗運営面では、「お値打ち感」のある魅力的なコースメニューや他業態あるいは他業種とのコラボレーションによる期間限定の新メニューの提供のほか、各種フェアの開催も継続的に行いました。更にお客様をお待たせしないための店内作業の一層の効率化、お客様とのコミュニケーションの活性化、商品の需要予測の精度向上による欠品や廃棄ロスの撲滅についても精力的に進めてまいりました。

コスト管理への取り組み

コスト面では、提供メニューの工夫による使用食材の歩留まり向上や、仕入先との中期的な契約の締結、スポット商品の機動的な調達などによって、食材価格の上昇の影響を極力抑えております。更に焼肉のタレやソース、ハンバーガーのパティ、ラーメンのスープなどの加工製品の当社セントラルキッチンにおける内製化を引き続き推進いたしております。またグループ各社が使用する各種調味料の規格の統一化、原材料・製品・資材の在庫回転率の一層の改善、物流機能の集約などにも努めております。

店舗政策

店舗政策につきましては、直営レストラン業態を56店舗、直営居酒屋業態を8店舗、合計64店舗を新規出店いたしました。一方、主に不採算を要因として直営レストラン業態を55店舗、直営居酒屋業態を31店舗、合計86店舗を閉店いたしました。その結果、当連結会計年度末の直営店舗数は1,508店舗となりました。なお、FC店舗を含めた総店舗数は2,709店舗となっております。

業績について

以上のような施策を進めてまいりましたが、出店計画の全般的な未達や相次ぐ自然災害の影響に加え、居酒屋業態やステーキ業態の苦戦、回転寿司業態の回復の遅れなどによって売上収益が伸び悩み、更には減損損失48億90百万円の計上もあり、当連結会計年度の連結業績につきましては、売上収益は2,443億60百万円、営業利益は40億82百万円、税引前利益は27億16百万円、当期利益は11億50百万円となりました。

今後の取り組みについて

当社グループにおきましては、居酒屋事業の再構築とコアブランドの育成を進めると同時に、ファーストフード業態の事業強化を進めてまいります。
日々の営業においては「食の安全・安心」を心掛け、グループ各社の強みを相互に有効活用した商品力の強化やQSCAの深化などによって、お客様に「楽しかった、美味しかった」と喜んで頂けるように引き続き努めてまいります。そして時代の変化に一層適切に対応するため、業態コンセプトの更なるブラッシュアップと明確化を図りつつ、地域のニーズに合わせた店舗作りと業態の独自性や専門性の訴求を行い、リピーターに強く支持される地域ナンバーワン店舗を目指してまいります。
更に、全社的に無駄を極力排除しながら精緻な商品需要予測に基づき、「売れる商品を、売れる時に、売り切る」ことを心掛けると同時に、作業スキルの向上と作業現場の活性化などに一層取り組み、グループ全体の生産性向上を図ってまいります。
また、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を展望し、国内ではレストラン・居酒屋業態の新規出店に加え、M&Aによるシェア拡大を目指してまいります。海外事業においては、日本食に対する世界的な人気の高まりを背景に、業績が概ね好調に推移していることから、今後もアジア諸国や北米を中心に積極的な店舗展開に努め、収益の伸長を図る所存であります。

株主の皆様におかれましては、今後とも変わらぬご支援、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

  • 第57期 事業報告書 2018.4.1~2019.3.31より抜粋