株主の皆様へ

IR INFO

わが国の経済動向

当連結会計年度におけるわが国経済は、自動車や半導体製造装置、鉄鋼などの輸出が比較的堅調だったものの、資源・エネルギーや原材料の価格高騰によって輸入が更に膨らみ、2年ぶりの貿易赤字となりました。また個人消費につきましては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大とその一時的な沈静化によって緊急事態宣言等の発出・解除が繰返されたため、消費マインドの持続的な高揚には至らず、停滞感の強い状態で推移致しました。

代表取締役社長 野尻 公平
代表取締役社長 野尻 公平

外食産業の動向

外食産業におきましては、食材価格や物流費の高騰、人手不足などに悩まされているほか、新型コロナウイルス感染症の感染拡大によって店舗の休業や営業時間の短縮、アルコール類提供の休止といった制約を受けました。更に消費者のライフスタイルの変化から外食需要が減少するとともに、来店時の滞在時間の大幅な縮小や宴会の自粛傾向も続いております。このため従来なら繁忙期のはずの年末年始や年度末においても、収益低迷を余儀なくされました。打開策の一環として、テイクアウトやデリバリーへの注力、バーチャルレストランの展開などを行っているとはいえ、中食との競合がこれまで以上に激化し、厳しい経営環境が続いております。

感染防止対策を徹底した店舗運営とESGの取組みを推進

このような状況の中、当社グループにおきましては、引続き「すべてはお客さまの為に」をモットーにQSCAを高め、家庭ではなかなか体験できない様々な料理や高レベルのサービスをお客様に提供することによって、「楽しかった、美味しかった」とお客様に喜んで頂けるよう心掛けております。また新型コロナウイルス感染症の感染拡大抑止のため、従業員の健康・衛生管理の強化、お客さまに対する入店時の検温・手指のアルコール消毒並びにマスク会食依頼、店舗内における密閉・密集・密接の回避など、様々な対策を講じております。

そして中食を上回る上質でお値打ち感のあるランチメニューやテイクアウト商品の強化、ショッピングセンター内のフードコートへの出店、「個食」への対応、他社の事業所や医療機関、公務員関連施設に向けた給食事業の展開などを行いました。更に料理に必要なカット済みの食材や調味料・ソースをセットにして、完成度の高い食事を短時間で作れるようにする「ミールキット」の開発・提供や、ESG(環境、社会、ガバナンス)推進の一環としてセントラルキッチンの近隣生産農家から調達した食材の残渣を堆肥化し、生産農家に還元する地域循環活動にも取組んでおります。また従業員のモチベーションやスキルを高めるため、メンター制度を導入するとともに、研修用のWEBセミナーも開催しております。

コスト管理の取組み強化

コスト面では、引続き費用対効果の精査に努め、損益分岐点の引き下げを鋭意図っております。そのため従業員の適切な配置転換による人材の活性化や配膳ロボットの導入、分単位の適正労働時間の算出に基づく人件費の削減、賃借物件の家賃契約をはじめとする各種契約の見直しによる費用圧縮などを行いました。また業態転換或いは業態集約、提供メニューの工夫に基づく使用食材の歩留まり向上、需要予測の精緻化による食品廃棄ロスの低減、物流拠点の集約及び物流ラインの整理などに基づく物流全体の最適化なども進めております。

店舗政策

店舗政策につきましては、直営レストラン業態を22店舗、直営居酒屋業態を5店舗、合計27店舗を新規出店致しました。一方、不採算や賃借契約の終了などにより直営レストラン業態を41店舗、直営居酒屋業態を28店舗、合計69店舗を閉店致しました。その結果、当連結会計年度末の直営店舗数は1,433店舗となりました。尚、FC店舗を含めた総店舗数は2,785店舗となっております。

財務体質の強化と海外事業

財務面では、新型コロナウイルス感染症の感染拡大抑止のための時短営業協力金及び雇用調整助成金の申請を行ったことや、昨年9月の公募増資1,000万株及びオーバーアロットメントによる売出しに関連した第三者割当増資159万株によって、財務体質の強化を図ることができました。
海外事業につきましては、東南アジアや北米において、経済の活性化と新型コロナウイルス感染症の感染拡大抑止を両立させる動きが強まっていることから、回復感が出てきております。

業績について

以上のような施策を積極的に進めてまいりましたが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による営業制限や、外食を自粛或いは来店時における滞在時間を短縮する傾向が続き、既存店の売上収益は新型コロナウイルス禍が顕在化する以前の水準には戻っておりません。
このような状況もあり当連結会計年度の連結業績につきましては、売上収益が1,756億27百万円、事業利益が61億33百万円、当期利益が30億68百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益が14億37百万円となりました。

2023年3月期の取組み

2023年3月期につきましては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大への懸念が収まらず、また世界情勢の不確実性の増大による経済の減速など予断を許さない状況が続いております。外食産業におきましては、引続き新型コロナウイルス感染症の感染拡大抑止への徹底的な対応が求められると考えられますが、これと同時に食材価格及びエネルギー価格の高止まりによるインフレの進行や、社会の「ウイズ・コロナ」化に伴う消費者のライフスタイルの一層の変化などに向けた新たな施策も必要になっております。

このような事業環境の中、当社グループにおきましては、インフレ対応の一環として提供メニューの工夫に基づく食材使用の効率化及び食品廃棄ロスの低減や、物流拠点の集約を引続き進めることにより、一層の効率化を図る所存です。「ウイズ・コロナ」対策としては、都心やオフィス街などへの店舗立地戦略を継続的に見直すとともに、営業開始時間を前倒しして深夜時間帯を当て込んだ営業からの脱却を図っております。また中期経営計画において示していた他社の社員食堂・介護施設・医療機関・公務員関連施設などへの給食事業を拡大させております。更に長期に亘って成長を続けるため、ESG(環境、社会、ガバナンス)への対応や、サステナビリティの推進にも注力しております。
これらの取組みによって、経済環境が変化しても収益が左右されにくく、高い安定性と成長性が見込める企業体質に進化することを当社グループは目指しております。

株主の皆様におかれましては、今後とも変わらぬご支援、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。